株式会社ラクーンホールディングス

小方の気まぐれ日記
小方の気まぐれ日記 2008年
暮れも近づく26日金曜日、忘年会を行った。
大きな宴会は、会社の5階で行うことにしている。
このビルは賃貸だが、家賃が安かったので5階建てのビルを丸ごと借りている。ビルの中に他の会社がないというのは実に使い勝手がいいものだ。多少騒いでも迷惑は掛からないし、色んなことに気を遣わなくてもいい。
みんなもこの場所が気に入っているようだ。

5階は丸ごとレクリエーションの場となっているのだが、テーブルや椅子の他にもアイランド型のキッチンやソファーもあり、色んなことが出来るようになっている。宴会をするにもうってつけだ。ちなみに台所はIKEAで買った組み立て式で、私と部下たちで組み立てたやつだ。この5階は当初の予想を遥かに超えてみんなに愛される場所となった。昼休みなどみんなご飯を作ったり、弁当を食べたりしている。

そもそも、100人単位の宴会を外でやるのは現実的ではない。料理も冷めてるし、頼んだ飲み物は行方不明になるし、そして2、3時間で追い出される。会社でやる場合は、幹事が材料だけ用意し、テーブルごとにみんなで作る。焼肉とか手巻き寿司とかいった具合だ。飲み代を入れても2人1500円とか2000円とかで出来てしまう。追い出されることがないので、二次会の必要もない。交際費を節約したい今どきの20代にとっても、会社にとっても大歓迎というわけだ。入り口で、テーブルごとの番号札を配り、違う部署の人とも交流が出来るように配慮がなされている。一番仲良くなるのは幹事に選ばれた人間たちだ。
共同作業はへたな研修より一体感が生まれるようだ。私は料理が得意なので、よく色んなものを作ってみんなに振舞う。パスタとかラーメンとか、刺身に握り寿司まで、なんでも作る。趣味で楽器や音楽をやっている人間が多いので、バンドも多数出演する。 来年もいい年になることを願いながら夜は更けていった。
参考)アスクル みんなの仕事場
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9月にサービスを開始した「バイヤーズナビ」の出展企業募集を開始した。
「バイヤーズナビ」と「スーパーデリバリー」の違いをここに説明します。

「スーパーデリバリー」は、販路規制を重視するメーカー向けのマーケットプレイスです。「スーパーデリバリー」には、販売側出展企業に小売店を選ぶ機能が付いているので、販路の規制を重視する企業に向いている。出展企業には、固定費の4万円/月がある代わりに、専属のコンサルが付き売れるための様々なアドバイスや、写真撮影セミナーや売り上げUPセミナーなども行われる。また、小売店側には2,100円/月の会費があり、入会審査もとても厳しいので真剣度の高い会員しか存在しえない。電話での審査の他、必要書類の提出や詳しい店舗紹介なども義務付けられている。小売店に会費があるため毎月連続で仕入れる会員以外は存在していない。

それに対して、「バイヤーズナビ」というのは問屋の参加に向いているサービスである。問屋は、そもそもメーカーよりもオフィスワークに慣れていて小売店と付き合う上で必ずしも我々のアドバイスを必要としていない。したがって、専属コンサルタントが付かないし、その分、月々の固定費も必要ない。また、一般的な問屋は相手がしっかりとした小売店でさえあればそれ以上販路に拘らないという特徴があるため、小売店を選ぶ機能もない。さらに、「バイヤーズナビ」の販売主体は、出展企業各社ではなく弊社である。小売店は、ラクーン1社から買う感覚で利用が出来る。また、サポートデスクに電話すると弊社に繋がる。出展企業各社は、商品情報さえ出せば売るための個別の努力というのは必要ない。小売店の入会基準は「スーパーデリバリー」と同じで、消費者や小規模ネットショップは決して入会できない。違いは会費が無いと言う点だけである。会員は2008年10月末にサービスを終了した「オンライン激安問屋」の会員小売店がそのまま移行しているので、すでに6万店舗存在している。両サイトとも小売店への条件の厳しさに関して、入会前の方に大変不評だが逆に入会後の方にはとても好評である。「誰でも簡単に入会できるサイトは信頼できない」と言うことのようだ。

部下に株の贈与を行うことにした。入社1年未満を除く全従業員が対象となる。ストックオプションの代替である。数年前、ストックオプションに関しての基準が変更になり現在では気軽に交付することが出来なくなった。そこで、私の所有する現物でその代替とすることにした。昨今、同様の行為は他の企業でもよく見られるが、本音を言うと自身の持ち株数を減らしたくは無い。将来、これを買い戻すには何十倍ものお金が必要になると信じているからだ。しかし、こうすることで残った株の価値はもっと上がると信じる。贈与する株は2,952のうちの119株である。これは全体の約1.3%にあたる。株市場全体で株価は下がっているが、この株を貰う部下達にとっては譲与税が発生しないので、このタイミングは少なくとも彼らに取っては好都合だ。こんなご時世だが、今後の業績に応じて株価が上がればそれは彼らにとっても目に見える遣り甲斐となるだろう。
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世界同時株安となった。株価だけを見るとまさに大恐慌といっても過言ではない。 「株価だけ」というのは、少なくても街の風景がまったくそれとかけ離れているからある。 大恐慌というと、街の風景が荒れて空き店舗だらけになり夜は早めに静まり返ると、そんな感じだと思うのだが、東京の街は大変賑わっている。百貨店各社の売上は落ち続けていると発表されているが、週末ごとに大変な混み具合で一体なんの数字が落ちているのだろうと疑ってしまうほどだ。

弊社の事業の場合、不景気は2つの方向に影響する。1つは、単純に不景気なので商品単価や購入量などが落ちると言う現象。もう一つは、不景気なので流通の効率化を求める人が増え、販売側も購入側も増えるという現象。現在はこの2つが綱引きをしている状態だ。

そんな中、今年もFast50(技術系のベンチャー企業で日本全国での成長率をランキングしたものです)に選ばれた。3年連続になる。50位→45位→31位と毎年順位があがってきている。ある部下に、売上のことを聞かれ、ふと思い出しながらそれをグラフにしてみた。16年前に100万円で設立した会社が、あと1,2年で売上高100億円の会社になる。
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新規事業を発表した。「バイヤーズナビ」だ。
98年から展開している倉庫出荷型の「オンライン激安問屋」は全国に6万店舗を超える会員を持っているが、これを問屋各社に解放するというビジネスモデルだ。企業の募集などは特に行わないので、サービスの詳細も今のところ公開はしていない。
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第四四半期の決算結果を発表した。とても良好な結果となった。年間でも全体の売上は前年比で170%。主力事業の「スーパーデリバリー」の商品売上は前年比で190%となった。さらに第四四半期が黒字化し株価は1週間で2倍まで上がった。
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以前にも書いたことだが、衣料品や雑貨の「インターネットによる卸し」のサービスがかなり増えてきたらしい。これはいいことか?もしくは悪いことか、、、と言えば今のところいいことのようだ。なぜならば、弊社の売上も問い合わせも昨年に比べ倍増しているからである。1人でやると話題になりづらいことでも大 勢でやると話題になる。

参入企業にはかなりの優良企業や大企業が名を連ねる。私が注目するべき点は、各社がネットにより卸しを展開しようとするならば、どうしても地方のお店や小規模なお店、または開業間もないお店を顧客対象として取り込まざるを得ない点である。都会の大手はこちら都合のシステムを容易に利用はしてくれないからで ある。

なぜ、この点に注目するのかというと、これら「地方の小さな新しいお店」というのは、これまで殆ど無視か、もしくは大手から倦厭されていた取引先であり、展示会などに行っても大手と違い喜ばれる取引先だったためしがないからである。およそ10年前、ほぼ弊社だけが、「地方の小さな新しい小売店」を対象とすると宣言したとき、これを理解する人は殆ど存在しなかった。殆どのメーカーや問屋が合理化という理由で小規模な取引先を切っていたのだ。
100万円から起業した私は彼らの苦労や気持ちが良く分かる。
起業したての頃はまだ信用がなく、どこに行っても商品が仕入れられない。売るものが無ければ事業は拡大のしようがない。

「地方の小さな新しい小売店」というとなんだか寂れた商店街を連想するかもしれないが、それは80万近く存在する小規模小売店全てに当てはまることではない。特に開業したての若いオーナーの始めた小売店、それもネットで仕入れをするほど勉強熱心でポジティブな小売店にはいいお店もたくさん存在するのだ。

こうやって始まった新たな流れは、小さなお店にたくさんのチャンスをもたらし、マーケットの育成に繋がっていくに違いない。ちなみに小さなお店は絶対になくならない。東京においても、大型店のさらなる大型化が進む中、三軒茶屋や表参道、原宿、下北沢や自由が丘など小さなお店はまったく減る傾向が無い。消えるお店があってもその分、必ずまた増える。人気も大手に負けず劣らず存在する。これは何十年も続いてきたことだ。地方だって同じなのだ。

30年前、郊外の大きなスーパーに車でまとめ買いに行くのが一般的だったとき、住宅街の真ん中に小さなコンビニが誕生した。毎日行っても値引きもしないし名前も覚えないと言って否定する人も少なくなかったが、今ではコンビニの無い町には若い人が引越しもしたがらない。そんな種類の変化になってくれると嬉しいのだが。。
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地味な戦略が中心の展開。
ビジネスの中身をよくしていこうと思うとどうしても地味な戦略が多くなる。少しは話題性のあることや派手なこともしたいのはやまやまなのだが、本業がしっかりとしていないと会社の中長期の経営価値が向上しない。
上場直後は特に危険である。なんでも出来そうな気がしてしまうからだ。また、私の知る限り1つの事業で旨く言った人が他でも旨く行くとは限らないし、その点に関してはかなり慎重になって捕らえるべきだ。
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